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荒野に鳥籠、不幸な幸せ

昨日がひどく昔に思えます。
とても遠い場所に来てしまいました。
ここは寒いところです。
渇いた砂が吹き散らされて、赤黄色く煙る景色の果てに小さな光がぼんやり浮かびます。
おずおずと足を踏み出せば、小石混じりの赤い砂がじゃり、と音を立てました。
にぶい銀色をした宇宙服の足元はもう砂埃にまみれています。

 

風に乗ってかすかにノイズをはらんだ故郷からの通信が聞こえます。
それは不時着した船の通信機。
まだつながっています。
砂を噛むような音に混じって、懐かしい友の声が聞こえます。私を呼んでいます。
バッテリーが尽きれば、それもいつかは聞こえなくなってしまうのでしょう。
それが明日か、10年後かは判らないのですが。
ふいと見上げれば、美しい紺碧の空にはまだ遠い故郷がはっきりと見えるのでした。
銀色にぴかぴかと輝く傷だらけの船には、まだ帰れるだけの燃料が残されていました。

 

ここは遠くて寒いところです。
だけど、檻ではないのでいつでも逃げられるのです。

 

 

まだつながっている通信機を壊したら、多分此処に住めるのでしょうが、私には壊せません。
私には壊せないのです……。
船は黙ってそこにあります。
昨日が遠く思えます。
そういう、話。
ちょっと星の王子様みたいですね。
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2009.06.03 07:50 | 暴走妄言集 | トラックバック(0) | コメント(0) |

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